アクアリウムで使用するろ材の種類と特徴

2021年6月11日

ろ材の種類

魚を飼育するにあたって、一番悩んでしまうのがろ材選びではないだろうか。

 

 

ちなみにろ過には、下の記事でも書いたように3種類があり、ろ材もまた種類に見合った物を使用する。

 

物理ろ材

ウールマット等。

 

生物ろ材

ガラス系、セラミック系の多孔質ろ材 樹脂(プラスチック)ろ材など。

 

吸着ろ材

活性炭やゼオライトなど。

 

このうち、最も種類が豊富に販売されているのは生物ろ材。各メーカーから色々な謳い文句を並べられたろ材が販売されているので、何を基準にどう選んで良いのか、誰もが一度は頭を悩まされたと思うので、以下、ろ材の種類と特徴について話をしてみよう。

 

濾過能力はバクテリアの数で決まる

ろ過の過程で一番重要なのは生物ろ過になるが、これはろ材に定着するバクテリアの数によって能力が決定するので、飼育スペースに限界のある水槽では効率よくバクテリアを繁殖させるろ材を用いる事が多い。

具体的には、表面がざらざらしているもの、無数の穴が沢山あるもの等、飼育水に触れる表面積の多いものを使用するのが良しとされていて、ろ材によってはその表面積をウリにした商品が販売されている。

一般的には表面積=濾過面積があるほど優れたろ材となるが、飼育していくうちに必ず目詰まりを起こしてしまうので、初期性能が長期にわたり持続することはなく、これがろ材選びを難しくさせている要因になっている。

モフチョ自身もろ材については試行錯誤を繰り返してきたが、ろ材を選ぶ際に重視しているのは

  • 水質に悪影響を与えない
  • 持ちがいい(崩れにくい)
  • 目詰まりを起こしにくい

この3つ。

極論を言うと、バクテリアは飼育環境のどこにでも発生するので、物理濾過で使用するウールマットやスポンジ(抗菌作用のあるものを除く)でも生物濾過を行う事は十分可能だが、それぞれにメリットデメリットはあるので、お次は各種ろ材の特徴を解説して見たい。

 

各種ろ材の特徴

ウールマット

実は生物濾過としても強力な能力を発揮する。コストは掛からないが、すぐに目詰まりするうえ耐久性が低いので、長期的に見ると生物ろ材としてはあまり向かない。

 

スポンジ・ウレタン

ウールマット同様の濾過能力があるだけでなく、製品によっては何度か繰り返し使える程度の耐久性があるのがセールスポイント。目詰まりを起こしやすいのが難点だが、それさえクリアできれば高いろ過能力を維持することができる。

 

セラミック系多孔質ろ材

耐久性に優れ、一般的にろ材と言えばこのセラミックろ材を指すことが多い。種類も豊富で様々な魚の飼育で使用できる。

 

ガラス系多孔質ろ材

セラミックろ材同等の能力があるが、とても崩れやすい粗悪品が多数出回っている点に注意。また、製品によっては水質を著しくアルカリ性に傾けてしまう点にも注意したい。

 

樹脂製ろ材

耐久性が非常に高く、半永久的に使用できるのが最大のセールスポイント。先に挙げたろ材と比較すると、バクテリア定着面積が少ない分能力はやや劣るが、目詰まりによる濾過能力ダウンがほとんど無いので、長期飼育にはうってつけのろ材と言える。

 

まとめ

どのろ材にも一長一短はあるが、この中で一番バランスが取れているのはセラミック系の多孔質ろ材だろう。

これにもいろいろな形状のろ材があるが、中でもリング状のろ材が目詰まりしにくいのでオススメだ。

 

さてこのセラミック系ろ材。モフチョもメインのろ材として長らく愛用している。

ただし目詰まりの問題だけはどうしても避けては通れず、初期性能を維持したまま使用することはなかなか難しく、ウールマット等の物理ろ材と併用したり、定期的にろ材のメンテナンスを行うことが必要不可欠となる。

 

そこで注目したが樹脂製ろ材の存在だが、現在はこのフジノスパイラルをメインのろ材として使用している。

使い始めてからかなりの年数が経つが、これまでに不便を感じたことは一度もなく、それまで愛用していたセラミック系ろ材よりも軽量かつメンテ性に優れているので維持管理がとても楽になり、結果として魚達も長い期間にわたって飼育できている。

入手しづらいのと導入時に少々コストが掛かる点はネックかもしれないが、それを補って余る使いやすさがあるので、ろ材選びに行き詰まったらこのタイプのろ材も選択肢に入れると良いだろう。

 

2021年6月11日飼育の基本

Posted by ドン・モフチョ