水槽サイズと飼育出来る魚の目安

2021年5月30日

可能な限り大きな水槽が望ましい

「この魚にはどんな大きさの水槽がいいの?」

魚の飼育を始める際に、一番悩むのがここの部分だと思う。

で、結論から先に言うと「可能な限り大きな水槽で飼う」ということになる。

ただ、これでは答にならない。

単に大きな水槽と言っても設置出来る水槽サイズには各々に限度があるだろうし、それを考慮した話をしてみたいと思う。

 

最初に飼育する魚を決める

まず初めに、どんな魚を飼うのかを考えよう。

飼う前の話なのだからどんな魚でも良い。実際にショップで目にするも良し、ネットで調べるのも良し、気に入った魚見つけたならばおおよその飼育方法を調べてみよう。

そして魚が決まったのなら、次に飼育環境が用意出来るかをじっくりと検討する。そこで少しでも「無理だな」と感じたのであれば、潔く飼う事を諦めた方が賢明だ。

なぜならば、一度水槽を設置してしまうと、後々になって簡単に交換することができないからだ。

例えばアロワナのような大型魚を飼うならば大きな水槽が必要になるし、海水魚だと揃える飼育器具がたくさんあったり、後で水槽を交換しようと思ってもこれがなかなか難儀なのだ。特に大型魚を飼う場合は尚更で、飼育する初めの段階で終生飼育できる環境を整えないと大変なことになってしまう。

 

水量から計算した魚の飼育数

初めのうちは小型熱帯魚や金魚といった、比較的よく見かける魚から飼い始めた方がすんなりとこの世界に入りやすいので、ここから先はその魚達の飼育を中心とした話を進めてみたいと思う。

まずは水量から飼育出来るおおよその数を把握しておこう。

 

小型熱帯魚(ネオンテトラ、グッピー等)→水量1ℓにつき1匹
金魚→水量15~20ℓにつき1匹

 

上の数字はあくまで目安だが、初めのうちはこの数に留めておいた方が無難。このくらいの数だと維持管理しやすく、魚も健康な状態を保ちやすい。

 

水量が多いほど水質は安定する

そして次に用意出来る水槽の水量を計算するが、あまりにも小さい水槽、具体的には水量が10ℓに満たないものは、初めのうちは極力避けたい。

というのも、魚の飼育においては、飼育水量は多ければ多いほど水質が安定しやすく、逆に少ないものほど不安定になりやすいので、極端に大き過ぎる水槽や特殊な形の水槽を除き、普通に市販されている水槽に関して言えば「大きい=水量の多い水槽ほど水質が安定しやすい」と覚えておこう。

ちなみに、市販されている水槽の中で最も標準的なサイズになるのが60cm水槽と呼ばれる水槽だが、このサイズは600mm*360mm*300mmとなっている。

これを単純計算すると64.8ℓの水が入る計算になるが、これは水槽の外寸を計算した数字であり、また水を目一杯水槽に入れるわけでは無いので、実際にはその8割〜9割程度の水が入る。

ちなみに、大体のメーカーはサイズとともに水量を明記しているので、その数字を参考にすると良いだろう。

 

※参考 主な水槽サイズと水量

水槽サイズ 大きさ(幅*奥行き*高さ) 満杯時の水量
45cm規格 450*300*360mm 約42L
60cm規格 600*300*360mm 約57L
90cm規格 900*450*450mm 約157L
120cm規格 1200*450*450mm 約205L

 

例えば60cm水槽を用意出来るのならば、小型熱帯魚なら57匹、金魚なら約3匹が目安になる。

 

熱帯魚より金魚の方が飼育は難しい

ここで、飼育出来る金魚の数について「少ないんじゃないの?」と疑問を抱く人もいるかもしれないが、それは大きな間違い。実は、金魚は小型熱帯魚と同列に比べられる魚では無いのだ。

30cmにも満たない小型水槽セットが「金魚飼育セット」として売られているので、小さい水槽でも飼える魚と勘違いするのも無理は無いが、その程度の水槽サイズでは幼魚のうちは飼育出来ても、成魚を健康的に飼育する事は極めて難しい。

金魚は基本的に丈夫な魚ではあるが、実は想像以上に水を汚す魚であり、大きさも「水槽の大きさに合わせて〜」と言われているが、実際には最低でも15cm前後までに成長するので、上記に挙げた数が適正値ということになるのだ。

「それでも飼える」といった実例も多数あるだろうが、それは元々金魚が丈夫な魚であるということと、たまたま強い個体に巡り会っただけの話に過ぎない。飼育者の努めをきちんと果たし、より健康的な金魚と長く付き合いたいのであれば、是非ともこの数字を守ってほしいと思う。

もちろん、この「水槽」だけがあっても魚を飼えるわけではない。

魚の飼育に必要な器具類は上の記事にまとめてあるので、合わせて読んで欲しいと思う。

 

2021年5月30日飼育の基本

Posted by ドン・モフチョ