エアポンプを復活させる方法

2021年6月8日

意外とすぐにダメになるのがエアポンプ。「電源は入るけどエアーが出ない……」といった症状、誰もが経験しているはずだろう。

 

エアポンプの修理

 

こんな時はどうしたらいいのか。

そこでモフチョが日常的に行っている修理作業を説明してみたいと思う。

 

メーカー推奨は内部ユニットの交換

メーカーの説明書では「パーツもしくは内部ユニットを定期的に交換するように〜」と記されていたりするので、パーツなり内部ユニットを交換すればすぐに排出量が復活してくれる。こうすれば新しいものを買うよりはずっとお得だ。

しかしこのエアポンプ、使用する環境によってはあっという間にエアーが排出されなくなる。一度電源を落としてから再度入れるとダメになるって事も比較的多い。

「そんなにゴムが早くダメになるの?」と思うかも知れないが、実はそんな事は無い。ちょっと手を加えるだけで新品のようにエアーが出てくれるのだ。

 

修理の手順

モフチョ家にもそんなエアーポンプがあるので、早速復活の作業に取りかかってみたい。

ちなみに今回修理するエアーポンプは定番・水作の『水心SSPP-7S』。

水心の他のシリーズも、基本的な内部構造は同じなので、以下の手順もほぼ同じように対処できる。

 

手順1 電源を抜いて内部熱を冷ます

 

まずコンセントを抜いて、十分に内部の熱を冷ますこと。意外と内部は熱を持つので、下手に触ると火傷をする可能性があるので注意。十分冷めたところで本体裏側のビスを緩める。

 

手順2 内部を開けてユニットを確認

 

内部はこんな感じ。四角で囲った部分が内部ユニット、エアポンプの心臓部だ。ちなみに水心シリーズの場合、この部分をそっくり交換するパーツが売られている。

 

手順3 ユニットを取り出す

 

復活のキモとなるのがこのユニット部なのだが、黒いゴム部分(ダイアフラム)が劣化していると、ここから先の修復は不能なので注意。その場合、素直にユニットを交換しよう。

 

手順4 ユニットの分解、洗浄

 

次に黒いゴムを外す。するとこんなものが出てくるはず。

 

 

これがユニット部の要となる白い樹脂製パーツ。

 

 

次にユニット部のビスを緩め、樹脂製パーツを取り外す。

 

 

このパーツには裏表にシリコン製の「弁」とそれを押さえるゴムが付いているが、この弁が汚れて固着するとエアーを正常に排出することが出来なくなってしまうのだ。

 

 

まずピンセット等で弁を押さえるゴムを取り外し、弁を破らないようにゆっくりと剥がす。汚れているものほど剥がしにくいので、慎重に扱おう。

 

 

取り外すとこんな感じ。

次にこれを洗浄するわけなのだが、デリケートな部分なのでぬるま湯や中性洗剤を薄めたもので丁寧に洗うようにしたい。

ちなみにモフチョはこんなものを使っている。

 

車のガソリンの水抜き剤というやつだ。

こいつに含まれているイソプロピルアルコールは、樹脂にダメージを与える事無く洗浄、脱脂できるので重宝している。

元々、車に使う為では無くインクジェットプリンタのヘッド洗浄用として購入したもなのだが、100円ショップ等で簡単に手に入るので、汚れが頑固な場合はこれを使用すると良いだろう。

ただし、これを使用する場合は火気と換気にくれぐれも注意するように。

 

さてモフチョの場合だが、

上のように塗料用の小皿に水抜き材を入れ、弁を漬けて洗浄するようにしている。

樹脂部は水抜き材をしみ込ませた綿棒で奇麗にするが、ここで注意してほしいのが上の画像の丸で囲った部分。これを折らないように慎重に作業を進めよう。

 

手順5 元に戻す

 

一通り奇麗にしたら、水抜き材をよく洗い流して十分に乾燥させる事。

水槽に水抜き剤が入り込むのを防止するだけでなく、残った水分で内部の電気系統をショートさせない為にも、この手順だけは必ず守ろう。

十分に乾燥したら、元の状態に組戻していく。

 

 

ここでの注意点は、ユニットのビスをきつく締めすぎない事。きつく締めすぎると台座部分が変形して樹脂製パーツとの間に隙間が生じてしまい、エアーが漏れて排出しなくなるからだ。

 

 

ついでに本体裏側のエアフィルターを交換する。画像のものは市販品だが、これはフェルトを丸く切ったものでも代用可能だ。

すべて組み戻したらエアー量を確認してみよう。

 

 

うまくいけばこのように復活する。

 

まとめ

あまりにも汚れが酷いもの、また、途中でも述べたように黒いゴムが著しく劣化したものについてはこの限りではないが、ユニット部の弁を奇麗にするだけで、ほぼ新品時のエアー量が復活する。

手順自体もプラモデルを作るよりも簡単だと思うので、エアー不調のものがあれば一度試してみてはどうだろうか。

ちなみに魚の飼育で一般的に使用されているエアーポンプの基本構造は同じなので、各パーツの形状が異なっても同じようにすれば復活してくれる。

最後にお約束な話を。

この手の分解、修理はメーカーが推奨する手順以外は全て自己責任で行うように。万一エアーポンプ自体が壊れてしまってもモフチョは責任を負いかねるので、予めご了承いただきたい。

 

2021年6月8日アクア豆知識

Posted by ドン・モフチョ