イカリムシ駆除作戦

2021年6月22日

 

先月頭に襲ったイカリムシ騒動。あれからひと月以上が経ち、ようやくコリドラス水槽は平穏さを取り戻した。

 

イカリムシ駆除までの期間

イカリムシ駆除の目安はおおよそ3週間と言われている。

その理由は2つ。

  • 市販されている観賞魚用の薬ではイカリムシの卵や幼生までは駆除できない
  • 卵から成虫になるまでのおおよその期間が2〜3週間

仮に成虫が駆除出来たとしても水槽内には卵や幼生が残っている可能性があるので、それらが成虫になってから再度駆除する必要があるからなのだろう。

 

さて、今回はコリドラス水槽のリセットと全魚に対する薬浴を行ったが、その甲斐あってか今日時点でイカリムシは確認されておらず、ほぼ駆逐出来たものと捉えている。

そこで実際に行った手順を話してみたい。

 

使用した薬は「リフィッシュ」

まず、水換え用で使用しているジャンボタライに飼育水20Lとカルキ抜きした新しい水20Lを入れ、薬浴する場所を確保。次に約0.3%の塩水を作った後、タライにコリドラスを投入した。

ちなみにこのタライにはエアレーションを2カ所設置し、十分に水が循環するようにした。

次に薬の投入だが、今回は『リフィッシュ』を使用した。

 

ここで一番気をつけたのは使用量だ。

この薬は本来池飼いの金魚や鯉に対して使用するもので、説明書には水量160L(90規格)の使用量からしか明記されていない。ひとつ単位を間違えばコリが全滅する可能性があるので、リフィッシュを用いた薬浴は慎重に行おう。(ちなみに水草への使用は厳禁)

さて、リフィッシュの規定量は水160〜180Lに対し添付さじの約半分(約1g)。タライの水は40Lあるので、規定量は添付さじ半分の4分の1=0.25gとなるが、これは金魚、鯉に対しての量なので、薬に弱いとされるコリドラスにはその半分=約0.125gを投入いることにした。

また、リフィッシュは水に溶けにくいので、ボウルに薬を入れて十分溶かしてからタライへと投入した。

 

立ち上げ重視のリセットを行う

お次ぎは水槽のリセットとなるのだが、水槽内の設置物(フィルターのホース類、流木やヒーター等)はそのままに、添付さじ一杯と多めのリフィッシュを入れて循環させることにした。

ちなみにこの間はフィルターは回しっぱなしで、ろ材もそのまま。今回は抗生物質を使う訳ではないので、バクテリアへのダメージはそれほど大きくは無いと判断したからである。

要するに、イカリムシの完全駆除よりもリセット後の立ち上がりのスピードを意識し、コリドラスに大きなストレスを与えなくなかったわけだが、この部分の詰めの甘さが吉と出るか凶と出るかは、なんとも言えないところ。

結果としては「吉」と出たが、より完璧にイカリムシの駆除を目的とするのであれば、ろ材も全て新しいものにするぐらいの覚悟は必要かも知れない。

 

装飾物の破棄、消毒作業からコリドラス投入

リフィッシュで循環させた後は、水槽内の底砂と水草類(ナナ・ウィローモス)は泣く泣く廃棄。ろ材はあえて水道水を使って軽く洗い流すようにして、ホースやパイプといったフィルター関連器具、ヒーター等、そして流木と石は全て熱湯消毒した。

無論、フィルターヘッド内のインペラ等も取り出してこちらも全て消毒。水槽本体は熱湯を使うわけにはいかないので、ぬるま湯で丁寧に洗い流した。

そして水槽に新しい水を7割ほど張り、フィルターの電源を入れて循環させたが、どのタイミングでコリドラスを水槽に投入すれば良いのか、その判断にとても悩んでしまった。

薬浴のストレスは相当なものだろし、出来る限り早く投入するに越したことはないが、イカリムシが身体に残っていては元も子もない。

ただ、ここで迷っていてもキリがないので、キリ良く薬浴を開始してから24時間後に本水槽へ投入した。仮にイカリムシが残っているようならば、再びタライに戻せば良いだけの話だ。

 

タライから水槽への投入作業

まず、タライの水を20Lほど本水槽に投入。イカリムシの幼生や卵が残存している可能性はあるが、完全な新しい水に入れるよりはこうした方がコリドラスのストレスは緩和されるし、立ち上がりも早くなるからだ。

そして一匹ずつコリドラスを網で掬い上げて本水槽に移動させる。

一番大量にイカリムシが寄生していたコンコロールをチェックしたところ、イカリムシは見当たらず。他のコリドラスも同様、なんとか成虫は駆除出来たようである。

ただ、以前にも書いたように、薬浴後のコリドラスの色抜けは相当に酷く、しばらくの間はコリ水槽から目が離せない状態が続いたので、この間、3日に1回の割合で約1/5の水換えを行い、活性炭を週一回の頻度で交換して「薬抜き」に専念した。

 

薬浴手順のまとめ

と、ここまての手順を簡単にまとめてみよう。

 

  1. タライで飼育水20Lと新しい水20Lで0.3%の塩水を作りコリを移動させる。
  2. タライにリフィッシュを規定量の約2分の1を投入
  3. 器具や流木、石は取り出して熱湯消毒。水草類は破棄
  4. 生体のいない本水槽にもリフィッシュを投入し、一時間ほど循環させる
  5. 水槽を再設置し丸1日循環
  6. 24時間後にリセットした水槽にコリドラスを移動(※この時点でイカリムシ成虫の駆除に成功)
  7. 本水槽は3日に1回、約1/4〜1/5を水換え
  8. フィルターに活性炭を使用し、週一回の頻度で交換する

 

ざっとこんな具合だろうか。ほぼ手探り状態での作業だったが、とりあえずは事なきを得た。

 

 

ただし全てが順調に運んだわけでは無い。薬浴ストレスの犠牲になったコリドラスもいた。ワイツマニィ、コルレア、そしてシクリと、恐らくはこの薬浴が無ければ命を落とす事は無かったであろうコリ達が……。

今元気にもふるコリ達は、この尊い犠牲の上から成り立っていることも最後に付け加えねばなるまい。

 

2021年6月22日病気と治療

Posted by ドン・モフチョ