赤コリの薬浴
ポップアイ、尾腐れから見事復活した赤コリ。実際に行った薬浴について書いてみたいと思う。
用意したもの
用意したのは以下のもの。
- 容量12Lのプラケース
- エアレーション
- 粗塩
- グリーンFゴールドリキッド
まず、プラケースに飼育水5Lと新しくカルキ抜きした水5Lを入れる。
次にエアレーション、0.2%ほどの粗塩、グリーンFゴールドリキッドを規定量の2分の1(約5ml)投入し、プラケース内の水をよく混ぜ合わせた後に赤コリを投入。この時点では簡単に網で掬える程泳ぎが弱々しかった。ヒーターは夏場だったので使用せず。
ここまでは流れ作業的に行う。水温は合わせたが、水合わせはしていない。元の飼育水を使っているので、実質2分の1の水換えと同じ水質になる訳だから、これはあまり慎重にならなくて良いと考えた。
と、ここまでが初日の作業。以降、簡単に流れを説明する。
薬浴二日目
既にポップアイは治まってくれる。ただ、尾腐れの進行は進んでいたので、ここで薬をさらに2.5ml追加する。
薬浴三日目
尾腐れの進行はまだ止まらず。約2分の1の水換えをした後、薬を5ml追加投入。単純計算するとこの時点で10Lに対し8.75mlの薬が入った計算になる。
薬浴四日目
尾腐れの進行は止まるも、コリの色抜けが非常に目立つようになる。よく見ると粘膜にも艶がない。
他の魚ならこんな事は無いが、本当にコリが薬に弱いということを痛感。ただ「もふる」仕草をするようになったので、いつもやっている餌(人工飼料)を二粒程度与えてみると食べてくれた。
薬を薄めたかったので餌やりの後、約3分の1の水換え。
薬浴五日目
前日よりも動きが活発になってくる。飼育水4分の1、新しい水4分の1の水換えを敢行。餌も前日と同程度与える。
薬浴六日目
いい感じにもふるようになる。餌をあげた後、飼育水4分の1、新しい水4分の1の水換えを敢行。
薬浴七日目
さらにもふる仕草が活発になる。動き自体はほぼ病気前のそれに戻ったので、ここで水合わせをして本水槽に投入する。
薬浴終了後
本水槽に移してからは多少動きの緩慢さが目立ったが、これは溶けて無くなってしまった「ひれ」の影響もあったと思うので、状態自体は悪くは無かった。ただ、色抜けというより粘膜の艶があまり無いのが不安だった。
今回の治療で使用した薬
赤コリが感染したのはエロモナスもしくはカラムナリスだろうが、いずれにしてもグリーンFゴールドリキッドの主成分であるオキソリン酸で対処可能だ。
ただし、こればかりは使ってみないと解らない部分が大きいと思う。コリに限らず、魚の病気の原因を特定するのは案外難しいからだ。
他にも『観パラD』『エルバージュエース』が細菌感染症の治療に使われるが、グリーンFゴールドリキッドと観パラDの主成分はほぼ一緒。
従ってどちらを使ってもその効果に変わりは無いのだが、対象となる魚が薬に弱いコリということと、水量の少ない水槽で薬浴させることがあったので、比較的量を計りやすいグリーンFゴールドリキッドを選択した。(※10Lに対する使用量はグリーンFゴールドリキッドの10mlに対し、観パラDは1mlと若干シビア)
また、同じような理由でエルバージュエースの使用も避けた(熱帯魚の場合100Lに対し1g)。こちらの方が効能の高い薬なのだが、言葉を返せばそれだけ薬が強いということなので、コリに関してはあまり使いたくなかった。
まとめ
本水槽に移してからは徐々に回復し、薬浴から約一ヶ月半でひれも再生したが、この間イカリムシ駆除の薬浴も行ったので、実際はもっと早く回復していたかもしれない。
それと今回の薬浴で一番気を遣ったのは薬の投入量。
基本的にこういった薬の類は規定量を入れないとあまり効果が無く、コリのような薬に弱い魚に対しどう量を調整すればいいのかは、実際に使ってみないことには判断できないからだ。
薬浴二日目と三日目に薬を再投入してはいるが、魚への負担を軽くするため、少しずつ規定量に近くなるよう量を調整し、魚の状態と病気の進行具合を照らし合わせながら投入するようにした。もっともこれは「賭け」でもあったが。
幸いにして規定量到達前に病気の進行は治まったが、その進行具合によってはさらなる追加投入も考えていた。
今回はなによりも赤コリの持つ生命力があったからここまで順調に回復したのだと思う。何せ魚の病気の進行は恐ろしく早い。細菌感染症となれば数時間で死ぬ事も珍しく無い。今回の件は不幸中の幸いだと今も考えている。
ちなみに先日死んだシクリの薬浴も全く同じ手順で行ったが、症状は異なれど一回目は復調を果たした事も最後に付け加えておく。
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