金魚飼育に挑戦(その参)

 

無事に水槽設置を終え、金魚を投入したら飼育が始まる。ただ、これで終わりだと油断するのは禁物。ここからの飼育が肝心だ。

飼育直後の管理

前回にも話したように、新規立ち上げから約1ヶ月間の管理はより慎重に行う必要がある。なぜならば、この時点ではろ過バクテリアが十分に発生していないため、ろ過がほとんど効いてない状態にあるからである。

この間、特に注意したいのは与える「餌」の量だ。飼い始めのうちはついつい金魚に餌を多めに与えがちになるが、食べ残した餌は水質を悪化させる一番の要因になるので、そこはグッと我慢するべし。

ならば「食べ残しが出なければOK」なのかと言うと、この期間はそれも当てはまらない。

金魚は胃袋を持たない魚のため、見境なく餌を食べてしまう個体が多い。要するに餌を与えれば与えた分を食べきってしまう魚なので、当然の事ながら与えた分の糞をしてしまうことになる。

そして、この糞もまた水質悪化の大きな要因になるので、事前にきちんと量を決めてから与えるようにする。

ちなみにこの時期の与える量の目安だが、立ち上げから一週間ほどの間は、小粒タイプの餌を与えるとして金魚1匹に対し10粒以下、回数は1日1回までとする。

 

与え過ぎないのがコツ

 

食い付きが良ければ十数秒程度で食べきるほどの量になるが、どんなに餌を欲しがっていても最初のうちはこの程度に留めておこう。それ以降は徐々に増やしていくようにして、立ち上げ後一ヶ月ぐらいまでは同量の餌を1日2〜3回を目安に与えよう。

この時注意したいのは、一回あたりの量を増やすのではなく、こまめに与えたるという事。こうした方が金魚にも飼育水にも負担をかけなくて済む。

 

水換えの頻度

次に重要なのは「水換えの頻度」である。

上でも書いたように立ち上げ初期はバクテリアがいないため、水槽内に溜まったアンモニア、亜硝酸といった有害物質は水換えによって強制的に排出させる事が必要亜可決となる。

ただし、この有害物質はバクテリアの餌になるため、頻繁に水換えをしてしまうとなかなかバクテリアが増殖せず、立ち上がりが遅くなると言ったケースが出てきてしまう事も。

そこで「適度」に水換えをする事が求められるのだが、必要最低限のベースを決めて通常の水換え頻度よりもやや早いペースで行うのが良い。

そのおおまかな目安だが、

  • 水換えの回数→一週間を超えない
  • 一回あたりの量→水量の2分の1を超えない

これぐらいに止めるようにする。

この際は、金魚の様子を逐一チェックしながら行うように。

水質が悪化してくると金魚の餌食いや動きが悪くなったり、身体の表面の艶が無くなったりするので、それを目安に水換えを行うと良いだろう。また、金魚の調子が悪くなくても、一週間に一度は必ず水換えを行うようにしたい。

 

水槽立ち上げ直後のトラブル対処

水槽が立ち上がるまでの期間だが、おおむねひと月前後で安定期に入る。ただしこれも一つの目安に過ぎないので、金魚の様子は必ずチェックするようにする。

もし頻繁に金魚が体調を崩すようであれば、立ち上がり直後のような水換えを続けていく必要がある。飼育水が出来上がるまで1年ほどかかる事も珍しくはないので、根気よく続けていこう。

また、この期間は金魚が病気を発症するケースも多く、その都度適切に対処していかなければならない。

 

病気は早期発見が大切

 

具体的な金魚の病気と治療方法については次回に説明するとして、この期間はバクテリアの定着と活性化を狙う目的があるため、いきなり水槽に魚病薬を投入する事はなるべく避け、塩浴と水換えを主体とした治療を優先させよう。

ちなみに塩浴させる場合の塩分濃度は0.5%程度(水量10ℓに対し50gの塩)。塩は粗塩を用いるようにする。

もしこの期間内に、治癒の見込みがまったく無い病気の金魚がでてきてしまったら、病気の拡散や水質悪化を防ぐ為にも、そして他の健康な金魚を守る為にも、その個体をすぐに取り出して即座に処分、廃棄する勇気も必要だ。

辛い事かも知れないが、これは魚を飼育する上で避けては通れない道なので、最後まで飼育者としての責任を勤めるようにしたい。

(その四へ続く)

 


金魚飼育に挑戦(その参)


 

金魚・錦鯉飼育

Posted by ドン・モフチョ