水槽内の溶存酸素量を増やす

2021年6月7日

 

以前、コリドラスを飼育する上で注意したいのは高水温ではなく溶存酸素量と説明したが、今回はどうやってこの溶存酸素量を意識的に増やすのかを話してみたいと思う。

基本はエアレーション

まず一番先に思いつくのはエアレーション、いわゆる「ブクブク」だろう。

エアーポンプから水槽内に空気を送り込むことで、溶存酸素量を増やそうってシロモノだ。

 

さてこのエアレーション、ブクブクの泡からも酸素は溶け込むのだが、その量はそれほどでもない。実際は泡がはじけた際にできる水面の「ゆらぎ」や、水槽内に適度な水流が作られることで酸素が溶け込むのである。

つまり、飼育水がどれだけ空気と触れ合っているのかが重要なわけで、空気に触れる面積=表面積が広ければ広いほど酸素は取り込みやすくなるのだ。

 

満遍なく酸素を行き届かせるには

エアレーションで肝心なのは、溶け込んだ酸素をいかに水槽全体に行き届かせてやるか、ということ。

そこで先に話した水流が重要となってくるのだが、そのイメージはこんな感じ。

 

シャワーパイプで調整
水流のイメージ

 

水槽飼育では主に水面から酸素を取り込んでいるが、それを水流によって絶えず循環させてやると、結果として溶存酸素量も増えるのである。

 

水流が与える生体への影響

先に述べた理屈だと、エアレーションと水流は強ければ強いほど溶存酸素量が増えるという話になるが、そうなると今度は生体への影響も考えてやらなければならない。

 

 

例えばコリドラスのようにある程度の水流を好む魚ならば、少々エアレーションと水流を少々強めにしたところで何の問題もないが、水流を苦手とする魚を飼育している場合や、水草を植えている場合はそう簡単にエアレーションと水流を強めることはできないだろう。

 

冷却ファン・クーラーの使用

そこで必要になってくるのは、冷却ファン水槽用クーラーの存在。

溶存酸素量というのは水温上昇と反比例の関係にあるので、水温上昇による酸欠を防ぐためにこれらを使用するというわけだ。

ちなみにどちらが効果的かというと、これは圧倒的に水槽用クーラーの方。少々高価かもしれないが、高水温を苦手にする魚を飼育する場合は必需品となってくる。

 

まとめ

ただ、先にも話したように、コリドラスメインの飼育であればエアレーションと水流をちょいと工夫するだけで十分な酸素を取り込むことができる。

もちろん、ちゃんとしたフィルターを使用し、過密ではなく適正数を飼育していることが前提となるが、水温に関してはそれほど敏感になる必要はない。

溶存酸素量を増やすためには、適切なエアレーションと水流作りをしてやるのが基本中の基本。冷却ファンや水槽用クーラーの使用は、補助的に使用するものと捉えておけばいいだろう。

 

2021年6月7日アクア豆知識

Posted by ドン・モフチョ